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「ラーメン 凪」で「すごい煮干ラーメン」と「漁師めし」を食す!

まずは連日の酒宴で胃がモタれてモノが食べられないオッサンの哀れな思考からどうぞ

この日は浅草で野暮用があり、帰りに浅草の天ぷらの名店「葵丸進」で天丼でも食して帰るつもりでいました。「葵丸進」は東京に住んでいた時に何度か通った店で、味の染み込んだ海老天がこれでもかとのる「海老天丼」が大のお気に入りなのだ。しかしオサーンさん、連日の酒宴で胃がモタれ気味。どうしても食べたいと思っていた天丼を受け入れる体ではない。それでも食べないと後悔すると思いながら悩み続けるも、店の前にいる店員さんの視線が気になり敢えなく断念。今回の出張では「葵丸進」は諦めることに。

天丼がダメでも他の食べ物なら大丈夫なのか?と問われるとそうでもなく、正直食欲がない。でもせっかく東京にいるのに何か食べないと後で後悔する。そう思って腹ごなしにと、ひとまず浅草から宿のある神田まで歩くことにしました。隅田川に沿って歩くのが近いかなとも思いましたが、ちょっと遠回りして上野まで出て、そこから中央通りを南下。重たいお腹を抱えるようにトボトボと1時間近く歩いたところで(歩くの遅いな)、今までがウソのようにお腹が空いてきます。さすがオレの胃。

ここは秋葉原。天下の電気街。電気街の雑踏の中で考えました。末広町から銀座線で浅草に戻って「葵丸進」に行くか、それとも秋葉原神田界隈でカレー屋かラーメン屋でも入るか。「葵丸進」の天丼に相当後ろ髪を引かれていたため、浅草へ戻ることを決断しかけたその時、盛大に腹痛を伴った腹の虫が鳴る。あぁ、オレのお腹は移動する時間すら待っちゃくれないようだ。

秋葉原では高層で新しめのビルが目に映る。ここに入るか。ここなら何かナウでヤングなお店があるかもしれない。ポップでコケティッシュな魅力に溢れるお店に巡り会えるかもしれない。いやコケティッシュはぜんぜん関係ないな。入って案内図を見ると「秋葉原拉麺劇場」の文字。フードコートか。そしてその中には全国的に名の轟いている「ラーメン 凪」が入っているではないか。これは天の思し召し。天丼ではなく煮干しを食べなさいということだろう。勇んでイザ煮干ラーメンへ。

秋葉原UDXの秋葉原拉麺道場にある「ラーメン 凪」の支店へ

というわけで、東京出張ラーメン食べ歩きシリーズの第3弾は秋葉原UDX内にある「ラーメン 凪」の支店へ。時はもう夕刻で、昼食とも夕食ともつかない時間。客は全然いません。この「秋葉原拉麺道場」なるフードコートには3件のラーメン店が入っていて、「ラーメン 凪」はその中の1件。お隣の「二男坊」も名の知れた博多とんこつラーメンの名店ですが、「二男坊」はとんこつ臭のないラーメンと聞き及ぶこと、そしてフードコートに入っているラーメン店がおいそれと動物臭を周りに撒き散らすわけがないことを鑑み、改めて「ラーメン 凪」で食べようと決着しました。

「すごい煮干ラーメン」と「漁師めし」を注文!

注文したのは「すごい煮干ラーメン」と「漁師めし」。ラーメンには白ご飯と心に決めているんですが、セットがあったのでこれに。お値段1,200円。たけーなおい。でもこの「すごい煮干ラーメン」はお店のトッピングメニューを全部入れたような一杯で、たいそう豪勢な佇まい。着丼まではお値段に懐疑的でしたが、いざ目の前にすると納得。これはすごい。いやーでもスープすごい色しているなぁ。上にのってる煮干しも赤い何かを纏って不気味な感じになってるし。これはどうにかならないのか。

こちらは「漁師めし」。煮干しの入ったみそと海苔、かつお節がかかった白ご飯。こちらはすごい煮干ラーメン(1,100円)に+100円で注文できたセットなのでお得感があります。混ぜご飯ではなくて白いご飯というのも、スープで白ご飯を食べたい私としては好印象でした。

さてこの「すごい煮干ラーメン」ですが、スープの表面に大量に煮干しの粉が浮いており、見るからに煮干し濃度が高そうに見えましたが、食べてみるとそうでもない。ちょっと拍子抜け。これたぶん、麺の湯切りが甘いとか、フードコート内の限られた調理器具の影響とかで、本来の「すごい煮干ラーメン」の持つポテンシャルが発揮できていない一杯なのではないかと感じました。ちょっとぬるいし。とんこつラーメンばかり食べていると、スープがぬるいことについてはそれほど違和感なくなるんですが、ちょっと間延びしたようなスープの味は残念。きっと別の「ラーメン 凪」でこのラーメン食べたらもっと煮干しの濃いスープを堪能できるんだろうなと思います。時折顔を覗かせる煮干し臭さが、本物はこうじゃないぞとの片鱗を見せてはくれていました。

麺が2種類入っているのが面白いところで、ひとつは手もみの中太麺。これはもちもちした食感があってなかなかうまい麺。低加水の食感が、煮干しの濃いスープならバッチリとハマりそうな感じでした。もうひとつは幅広の麺。こちらは「いったん麺」というそうで、ほんとワンタンみたいです。これも煮干しの濃いスープとは見事にマッチしそうな麺でした。

今回は、ラーメンという食べ物の難しさを思い知らされました。作る人、食べる店、食べる人間の体調によって、味はいつも一定ではなく違って感じるということを改めて痛感しました。「天空落とし」みたいな麺の湯切りパフォーマンスは一見大げさに見えるんですが、実はとても大事な工程なのがよくわかります。麺屋武蔵は湯切りに店員みんなで掛け声出して、ああいうのも実は湯切りをしっかりやるというチェック体制の一環なのではないかと思います。いや今回のスープの味が湯切りの悪さによってボヤけたのかは実際には判別できないんですが、わたしにできることと言えばラーメン食べるにあたって体調を整えるくらいしかできないので、今後はもっとしっかり精進してラーメン店に臨みたいと思います。

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