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長浜ラーメンの総本山「元祖長浜屋」

福岡名物?路線バスに乗る

福岡は日本一のバス会社「西鉄バス」による路線バス網が発達していて、街のいたるところでバスを見かけます。いたるところと語るほど街を歩き回っているわけではないんですけどね。一度はぜひとも乗っておきたいと思っていましたが、次行く予定のラーメン店はバスで行くのがいちばん効率が良さそうなので、いざ博多バスターミナルへ。

さすが市民の足の中心となっているだけあって、バスターミナルは多くの人でごった返していました。秩序だってバスが来るのを並んで待っているようには見えたんですが、よく見ると別の列から割り込みんで乗っている人が非常に多い!ひとりふたりなんて生易しいものではなく、全体の1/4くらいの人が割り込み乗車なんじゃないかってくらいたくさんいました。ひとつの乗口に対して行き先が多いのである程度しょうがないところはあるんですが、観察していると意図的にやっている人が多くいたように思います。ここまでの九州出張の中で一度も不愉快な気持ちになってなかったんですが、この状況を見て初めてちょっと嫌な気分になりました。割り込む人なんてどこの地域にもいますが、バスならきちんと並ぶ必要がないと思っている人が多いように感じました。電車だときちんと並んでるんですけどね。

そんなわけでバスで揺られて降りたのは「港一丁目」バス停。名前からして分かる通り海に近い場所で、福岡入りして最も海に近づいたんだと思います。そして徒歩で向かう先の住所は「長浜」。そう、あの「長浜ラーメン」の「長浜」なんです。いやーついに来ましたね。目的は当然あのお店。ラスボス感ハンパないです。

ついにやってきた「元祖長浜屋」

ついにここにたどり着きました。長浜ラーメンの元祖、「元祖長浜屋」。とんこつラーメンの元祖は久留米の「南京千両」ですが、こちら「元祖長浜屋」はとんこつラーメンに細麺を使用した元祖であり、また替え玉発祥のお店でもあります。ラーメンの値段を400円から500円に上げた時も、替え玉を50円から100円に値上げした時も、それだけでニュースになってしまうくらいの存在。博多長浜ラーメンを謳うお店は全国にありますが、それらの元となったのはこの店。まさにラスボス。

歴史のあるお店ですが、現在地で営業を始めてからは日が浅いため、お店に古さは感じません。注文は店の外にある券売機で行います。注文したのは「ラーメン」。それに加えてラーメンにのっている肉を別途で食べることができる「替肉」。「替肉」はよくおつまみとして食べられているそうです。

ここまで福岡で入ったお店はどこも店員さんが元気で人当たりが良かったんですが、この「元祖長浜屋」はちょっと様相が異なります。感じが悪いとかは一切なかったんですが、非常にそっけないというか、あまりお客さんのところに寄ってこない感じ。もともと近隣の魚市場関係者が仕事の合間に食べに来ていた店という歴史があり、また現在も客層はドライバーさんとか、仕事の合間に来ている人が多い感じ。客に接することよりも大事なことがあるという感じに見えます。

スープに肉とネギがのっただけのシンプルなラーメン

たぶん食券渡して着席してから1分経ってないと思います。テーブルに置いてあるお茶を注いでいる間にやってきたラーメン。白濁しているけどやや透き通ったスープに肉とネギがのるだけのシンプルな構成。武骨ですね。魚河岸のラーメンというか、まかない感がちょっと出ている感じがします。

元祖細麺。ちょっと粉っぽさの残る麺で、ずっしり低加水の重たい麺です。そしてびっくりしたのが量。他店なら2玉近くあるんじゃないかという麺量で、ここまで食べ歩きで疲れてきている私の胃袋にはかなりヘビーでした。

事前にここのラーメンは「とんこつ臭がないこと」と「あっさり味であること」は知識として知っていました。食べてみてもやはりとんこつ臭は一切ありません。よく「博多長浜ラーメン」を謳う盛大なとんこつ臭のあるお店(田中商店とか)に対し、「長浜ラーメンの基本に忠実な一杯」なんてレビューをしている人を見かけますが、どこをどう判断したら基本に忠実なんて言えるんだろうと思っていました。今回「元祖長浜屋」を食べてその思いは一層強くなりましたね。屋台を発祥とする「長浜ラーメン」と呼ばれるお店はここだけではないですが、少なくとも「元祖長浜屋」のとんこつは軽いです。もうすでに「博多ラーメン」も「長浜ラーメン」もほぼ同義で考えているんでしょうけどね。

ただ、とんこつが軽いからと言って「あっさり」味と片付けてしまうのもちょっと違うような気がしました。今回の出張で「大砲ラーメン」とか「博多だるま」を食べ歩いてきた私にとっては、最初はあっさり、そしてうすいと感じたのは確かです。でも、食べ進めていくうちに口が慣れてくると、得も言われぬ骨の味を感じてきます。なるほどなるほどこれが「元祖長浜屋」の魅力か。とんこつの味に加えて、上にのっていた肉の味が染み出してきて、少し塩けを強く感じられるようになってきます。最後はちょっとしょっぱいかなと感じてしまうレベル。肉恐ろしいな。

替肉は・・・かなりしょっぱい!

こちらは替肉。ラーメンの上にも最初から肉がのっていますが、それとは別皿でやってきます。豚の薄い細切れ肉ですね。一般的なラーメンのチャーシューとは全く違う肉です。先ほどのラーメンでは、食べ進めていくうちにこの肉の味がスープに染み出して、味に大きく貢献していました。

替肉アップ。正直、これ単体で食べるにはしょっぱいです。スープに入れるか、もしくはお酒のアテとしてチビチビ食べるのが良いかと思います。ごはんが欲しくなる味ともちょっと違うんですよね。私はお酒のことよくわかりませんが、これは焼酎があいそうな感じがしました。

心からおいしいと感じるには修業が必要かも

私はとんこつラーメンが好きで、その中でもとにかく臭いのが好きです。今回の「元祖長浜屋」はそんな私の好みからは大きく離れている、臭みのない軽いとんこつ。でもこれだけ大きな支持を長年受けてきたお店。好みに合わないと片付けてしまうのは早計なんだろうと思います。きっと何回か通って口が慣れてくると、よりいっそう魅力を感じられるんでしょうね。

私にとっては、元祖の雰囲気を感じられたことがまず大きな価値であり、いずれこの味も心からおいしいと思ってみたいと感じさせるものではありました。まだまだ修行が足りませんね。

さて、満足して「元祖長浜屋」を出た後は、行きでバスに乗った道のりを歩いて帰ることに。福岡屈指の活気のある街として有名な「大名」の雰囲気を堪能し、天神から中洲を抜けて博多駅のホテルまで。やっぱり福岡は元気な街ですね。街の雰囲気もそれぞれ違っていて面白かったです。もう福岡を離れないといけないと思うと寂しい。福岡は私オサーンの第3の故郷とすることにしました。

食べ歩きの影響でもうお腹がズタズタ状態ですが、明日飛行機に乗る前になんとかもう一杯ラーメンを食べておきたいと心に誓いつつ、ホテルに戻りました。

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