おでんのお店だが知る人ぞ知るチャーハンの名店
今回は、札幌市中央区の中央バスターミナル地下にある、「七福食堂」のチャーハン。こちら看板にも暖簾にも「おでん」と書かれているのでおでんのお店なんですが、昼食時にはいろんな食事をとりにくる客で賑わうお店で、特にチャーハンが知る人ぞ知る看板メニューです。
食べ物屋さんが並ぶ中にある昔ながらの佇まいのお店です。飲み屋のような外観で、客のいない時に来ちゃうとご飯食べにはなかなか入りづらい印象ですが、昼時は客の往来がかなり激しいので気楽に入れるかと思います。「おでん」と大々的に書かれていますがあまりおでんを注文している人を見たことはなく、チャーハンとかカツ丼とか、普通にご飯ものが人気のお店です。
入口付近に置かれているメニュー。おでんは左下に目立たなく存在していますが、基本的には丼ものと定食がメインのお店。私はチャーハンの評判を聞いてチャーハンを食べに行き、それ以来ハマってしまって食べ続けているので、チャーハン以外は食べたことがありません。天丼大好きなので一度は食べてみたいのですが、どうしてもチャーハンの誘惑に負けてしまいます。というか、チャーハン食べにこの店行くので、他のメニュー頼めません。
ジャンキーチャーハン極まれり
注文するのはチャーハン中盛。以前は大盛があったのですが、今は普通盛と中盛しかありません。ただ、中盛で他の店の大盛クラス以上の量はあります。そしてお安い。さらにサラダと味噌汁までついてきます。なんと良心的なこと。コスパ最強です。それにしても、中盛があって大盛がないなんざ、ちょっと良い味だと思いませんか?
さてこのチャーハンですが、具はたまごしか入っていません。シンプル。肉もなければ野菜もありゃしません。でもそれがいい。ごはんに染み渡った大量の油と、そしてこれでもかと(たぶん)注ぎ込まれた大量の化学調味料。ディス・イズ・ジャンク。いやディス・イズ・The・ジャンク。最近はヘルシーなチャーハンを供する店も多くなっていますが、この店のチャーハンはいかにも体に悪そうな味のチャーハン。でもね。オサーンさん的にはこういうチャーハンこそ至高なわけですよ。このチャーハンを食べるために他の食事は節食することも厭わないわけですよ。いや実際はしていませんよ。してないけどそれくらいの心づもりなんですよ。まさに理想のチャーハン。アツアツのごはんが油をまとい、それはもう手がつけられないアツアツぶり。その上、これでもかと濃い味で攻めてくる。英ダービーがTheダービーを名乗るなら、この七福食堂のチャーハンこそTheチャーハンなわけですよ。
ちょっとわかりづらいですが、ごはん一粒一粒が油で極武装しているのがわかるでしょうか。脂っこいものが苦手な人は、ちょっと「うっ」てなる可能性があります。でもおいしいんです。そして、これほどまでに紅しょうがとマッチするチャーハンも珍しい。紅しょうがと一緒に食べてなおよし。
ごちそうさまでした。皿の底には大量の油が残ります。家にいたら絶対舐めてるな、と思いつつ、そっとスプーンを置きます。見た目まったく地味なチャーハンなので、この至高ぶりを表現するのはなかなか難しいのですが、個人的には札幌チャーハン四天王の一角で、やられた時に「そいつは四天王の中でも最弱」と言われる側ではなく、言う側なのは間違いないという評価。無人島に持っていくならこのチャーハンです。