珍しい焼そば専門店
外食で焼そばを食べる場合、お好み焼き屋や中華店で食べることが多いと思います。でも世の中には焼そば専門店なるものがあり、東京神田神保町にある「みかさ」はそんな中でも有名店。札幌にも昔からある焼そば専門店「やきそば屋」がありますが、他にもありました。「やきそば屋」は味付けは卓上の調味料を使って客が行いますが、今回のお店はきちんとお店で味をつけて焼いてくれます。
そのお店は「焼そばランラン」。手書きっぽい看板に力の入っていない店名。そして味のある古い建物。このクラシックな建物を見てしまうと、これが都心にあるなんて思えないかもしれませんが、都心の地下鉄西11丁目駅から徒歩圏にあり、れっきとしたビジネス街の一角。
札幌では高層ビルの部類に入るこんなホテルも近隣にあります。札幌市中央区役所の裏手。このあたりは実はちょっとしたグルメ激戦区。働く人たちのお昼の胃袋を満たすためにたくさんのお店がひしめいています。
驚愕のメニュー「焼そばライス」
さて、お店に入るとこんなメニューが壁に貼ってあります。お店の人気メニューは「ジンギスカン焼そば」のようです。でも「3度の飯よりごはんが好き」でおなじみの私オサーンにとって、気になるのはジンギスカンよりも当然「焼そばライス」。焼そばonライス。炭水化物の上に炭水化物という強烈なメニュー。
実はこれって我が意を得たりなんですよ。私常々思っているのが、ご飯にあう麺は焼そば、もしくはペペロンチーノだと思っていて、たぶん一般的にはみそラーメンとかだと思うんですが、いやそれももちろんおいしいですよ、でもどれがいちばんかと問われれば焼そば!と答えるほど、ご飯と焼そばの組み合わせは最強だと思っています。でも周りに聞いてみてもみんな顔をしかめるんですよね。ご飯と焼そばがマッチするなんて思っている人はあまりいないようです。でもこうしてメニューにあるということは、当然そういう嗜好の人もいるってことで、かなりうれしいこと。
そもそも、世の中には「そばめし」なる食べ物も存在しているのに、なぜ焼そばとご飯を一緒に食べることには顔をしかめる人が多いんでしょうかね。不思議です。
そんなわけで当然、「焼そばライス」を注文。麺2玉の「大盛」で勝負します。目玉焼きもトッピングしました。実は目玉焼きにも一家言あって、「半熟目玉焼きonライスこそ最強のたまごかけごはん」だと思っています。焼いたたまごの香ばしさと濃縮された黄身、そしてたまごを熱したことにより立ち上るしょうゆをかけた時の香り、もうたまらんのです。今回の話とはあまり関係ないですけどね。全部合わせて650円。や、安い。このボリュームで650円はなかなかないと思います。ちなみにノーマルの焼そばを並で注文すれば350円で済んでしまいます。なんと良心的なお店。
黄身を割りましたの図。いやーしょうゆたらしたいぜ。でも今回はたまごかけごはんではなく焼そばライスを食べにきた手前、しょうゆは自粛。それにしてもこの目玉焼きお見事なデキ。半熟ではなく全熟。たまごかけごはんにするには最適な目玉焼きでしょう。焼そば専門店もさることながら、このお店の人は目玉焼き専門店も回転できそう。需要があるかはわかりませんが、私は行きますよ。
少し太めの麺に、具は豚肉とキャベツ、玉ねぎ。具は安いのに結構がっつり入っています。ソースは少し酸味のある味でしっかり濃いめに味付けされています。私の理想の焼そばは「マルちゃん焼そば」なので、酸味はあんまり欲しくないところなんですが、それでもこの味はおいしい。濃いめなのでしっかりご飯ともマッチします。奇をてらった味ではなく王道の味。具にも余計なものが入っていなくて好感が持てます。
この店は大満足!都心に立地していながらよくこんな価格でやっていけますねと感心してしまいます。おそらく焼そばとは食べ物の中でどういう立ち位置なのかを追求し、お客さんのニーズを追求した結果なんだと思います。本当に頭が下がります。素晴らしいお店でした!